INTRODUCING: soduk

2018 Fall/Winterシーズンよりスタートした、東京発のウィメンズブランドsoduk(スドーク)。

デザイナーは沖縄県那覇市出身の工藤 司。共働きの両親とボーイッシュな2人の姉がいる家庭に生まれ、幼少期の頃は熱暑が続く沖縄の地でも常にオーダーメイドのセットアップや着物を身につける「沖縄きっての洒落者」だった祖母のもとで過した。

そんな祖母の影響を受けファッションに興味を持ち始めた彼は、17歳の時にアメリカ留学のホームステイ先で寛大な黒人のホストマザーと寝る間も惜しんでMTVのヒップホップ・チャンネルを聴く２人の息子との出会いをきっかけに、その気持ちをエスカレートさせ早稲田大学を卒業後、念願のファッションの世界に進むべく、ベルギーのアントワープ王立芸術学院に主席で合格する。

しかし、アントワープ王立芸術学院といえばファッションデザイナーの登竜門と呼ばれる名門校。ここに入学するまでにある程度の基礎を習得した生徒ばかりが集まる学校とあって、それまで服作りとは皆無だった工藤はアントワープで学ぶことの意義を日に日に失い、また通っている内にウェアラブルな洋服が好きだということに気づき、「見たこともないモノ」などを求める同学院との思考が少しズレを感じ、中退を決意。

服作りの基礎を一から学ぶためパターンナーとメカニシャンを育成するパリの小さな学校に入学し、1着にかけるメカニシャンのプライドと、1ミリの縫製のズレも許さない細心のケアが上質な服の背景を学ぶことで、服作りの基礎やルール、ファッションの中での秩序を学びながら、同校の経験を生かしJACQUEMUS やY/PROJECTでパターンアシスタント、JW Andersonではデザインアシスタントとして経験を積んだ。

その後、日本へ帰国し2017 Fall/Winterシーズンにメンズブランド kudos(クードス)を設立。沢山のルールが存在するメンズウェアのパターンは、そのルール通りに従うとフォーマルな洋服に仕上がるが、不完全なモノにこそ魅力を感じるという彼は、独自の方法でさりげない遊び心を潜ませたデザインで男性はもちろん、女性からも支持を集めた。

そして2018 Fall/Winterシーズン、ついに女性ファン待望のsodukを立ち上げる。

ファーストコレクションでは、kudosの“鏡”のようなブランドということから「mirror, mirror」をテーマに、一つのアイテムで様々な着方が楽しめる「multiple ways」というkudosの特徴をウィメンズに反映させたアイテムを中心に、アシンメトリーなデザインのシャツやリバーシブルに使えるセーター、異素材ミックスのアイテムなどを展開。

2シーズン目となる2019 Spring/Summerは「dance with me.」と題し、人が動いた時に布が動く様を意識したコレクションを。3シーズン目の2019 Fall/Winterでは、現代美術家の玉山拓郎氏とコラボレーションし、ブランド初となるプレゼンテーション形式で発表を行った。

今シーズン2020 Spring/Summerの「we walk on town」ではタイトル通り、デザイナー工藤が街を行き交う人々を観察し、ネガティブな出来事があった日でもポジティブに振る舞い街を歩く人たち向けたコレクションを発表。一歩一歩踏み出すたびに足のラインを美しく魅せてくれるニットパンツや、風が気持ちよく通り抜けるニット、軽く羽織れて中のインナーも見せることができるシャツ等、部屋で着るには勿体なくて、ついつい外へ行きたくなってしまうようなウエアがラインナップした。

scarf collar knit top ¥25,000+tax
inverted pleats trousers ¥38,000+tax

kudos soduk trench coat ¥60,000+tax
double layered t-shirt ¥18,000+tax
colored stitch slit knit trousers ¥25,000+tax

who cut it out? denim shirt ¥35,000+tax
colored stitch slit knit trousers ¥25,000+tax

sodukのプロダクトはジャケットやシャツ、スラックスにTシャツなど、一見シンプルなリアルクローズのようにも思えるが、意外なところにカッティングが施されていたり、ボタンを敢えて掛け違うことで何通りにも着こなせるシャツがあったり、異なる素材がドッキングされたり。リアリティーがありながらも、いつもどこか一捻り効いている。